sw2.5のコミュ将来亭wikiです。

※注意!:見学者が書いた物です!苦手な人はごめんなさい!キャラ崩壊が酷過ぎて不快等の申し出があれば消します。よろしくお願いします!


「―――白玉アンミツ二人前、まぁその・・・頑張りなさいな、旦那さん。」
「はいはいどうも。・・・っいてて、ハァ・・・」

俺は、差し出された二つの椀を摘まんで、女店主さんの同情を情けなく受けながら、ウミネコ茶屋へ背を向けた。

・・・いや、乗っけからこんな溜め息なんざ、見苦しい限りで悪いんだが・・・
今ばかりはちぃっと、ガラが悪いのも勘弁してくれねぇか?
左の耳がその・・・な?
ヒリヒリと痛くて、熱っちィんだよ。
・・・何、大して面白ぇ話でも無いさ。
ついさっき、ウチのカミさんを怒らせちまってな・・・

傭兵家業なんてのには、纏まった休みが大事なんだ。
一度仕事にとっかかっちまえば、いつ帰れるかもわからねえ、いつ死んでもおかしくねえ。
・・・家族の元へ帰れる保証なんざ、有る訳も無え。
そんな世界だ。
だからよ、次の仕事へ後腐れを残さねえ様に、纏まった休みでやりてえことを、どれだけ出来るか。
これが、大事なんだ。

・・・て訳で、今日は偶の休みで家族サービス。
カミさんとココ、『クガネ』まで、物見遊山に繰り出してたんだ。
東方にある、『ひんがしの国』の港町さ。
現在進行形でガチガチの鎖国固めた国ではあるんだが、諸々伝を使って、ちょちょいっとな。
そんなだから滅多に来れた所じゃ無いが、ココでしか喰えない甘味がな?
美味いんだ、これが。
ウチのカミさんにも、一度は喰わせてやりたくてな。

・・・命懸けの仕事の暇に、やることがソレかって?
うるせぇ。
こちとらカミさん満足させんのが、生き甲斐なんだよ。
我ながら、テメェの満足が安上がりで、楽な限りだ。

・・・だったってのに、ったく・・・
二人で見世物でも覗きに楽座街へ出て、広場を歩いていた時だった。
ふと、気になる奴を見かけた。
街で遊んでいる奴らの人ごみに上手く紛れていたが、そいつは武器を忍ばせて、殺気立ちながらそれとなく、周りに視線を送っていやがった。
密偵・・・いや、クガネ式で言う所の、『忍者』って奴の類だろう。
あの脚運びからして、それなりにはデキる奴みたいだったが・・・
・・・もしアレがその辺りの花街の用心棒だったってんなら、あんな如何にも“不慣れ”に、人ごみへ“目を”付けていたりなんかするかよ。
あれ位の奴が街の子悪党なんかに気を配る様なら、それこそ足音やら臭いやら、難なら気配でいくらでも探せる。
目なんか使うだけ無駄。
寧ろ、下手に視線なんか動かしてりゃ、如何にも『用心してます』って触れて回ってる様なモンだ。
気取られるだろうが、そんなの。
少なくとも、そりゃ忍者の仕事じゃねえよ。
なのに、あの気合の入り様だ。
つまり、奴はこの街を守っている側の人間じゃねえ。
これから何かを、“やらかす側”の人間てこった。

俺もスカウトの端くれだ。
そんな奴がうろついてりゃあ、つい癖で目が行っちまう。
職業病・・・まあ、ともかくだ。
・・・テメェの貴重な休みに、あんな大したこともねえ子悪党相手に、よしときゃ良かったんだよなぁ、俺も。
そう、その半端忍者、例の“三条花街”の辺りを通ってやがったんだ。
よりにもよって、偶々、俺が見つけた時に限って、“遊郭”の手前を歩いていやがった。
それを見てた視線の方向だけ、しっかりカミさんは気付いてたってワケだ・・・

で、そんな俺は今こうやって、ゆっくり二人で来るはずだった甘味処に、予定をズラして大急ぎ、二人前を一人で買いに走って、戻る所なんだよ。
ご機嫌取りだよ。
・・・あぁ、俺の左耳を見りゃわかる通り、カミさん、そりゃもうカンカンのカミナリ様よ。
ギチギチに俺の耳を引っ張って、やれ『やっと夫婦でゆっくり遊べる時間が取れたって時に何処を見てる』だの、『そもそも最近仕事を入れ過ぎて帰って来ない』だの・・・いや耳が痛いぜ。
『ちょっと変なやつが』とか言った所で、信じてくれやしねえ。
女は怖いねぇ・・・

・・・え?
そんな怪しい奴が居る近くに、奥さん一人で置いてきて、大丈夫なのかって?
んなのどうってこたねぇよ。
あんな三下・・・何せ、ウチのカミさんは・・・


・・・チッ。
あぁこの音か?
通信用の魔動機だ。
悪い、職場から連絡が来た。
ちょっと待っててくれ。
ったく急に鳴り出すもんだから、ハット落としちまったじゃねえかよ・・・


・・・ハァ・・・
最悪だ。
この辺りの悪党集団が、よりにもよって国相手に、何かやらかしやがったらしい。
本部の奴ら・・・『近くに居るなら働け』だと。
まあ、十中八九、あの半端忍者も関わってるんだろうが・・・

・・・あぁクソ!!
こちとら休暇中だっつってんだろ!!
一日中カミさんと居られるように、準備してここまで来たんだよ!!
それをぶち壊しやがって・・・

・・・どこのクソバカ共か知らねえがな。
どんなつもりで国相手に喧嘩売ったか知らねえが、関係無ぇ。

助走付きで、ブッ飛ばす。


俺は、ハットを頭に置き直した手をそのまま握りしめて、招集に向かった。

〜『悪党成敗』本編へ続く〜

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